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世界の生ハム ~(その1)イタリアの生ハム~

イタリアには、パルマハム、サンダニエーレ・ハム、モデナハムなどの
生ハム(プロシュット・クルード Prosciutto Crudo)がありますが、
イタリアを代表する生ハムといえば、
パルマハム Prosciutto di Parma です。

パルマハムは世界中に輸出されています。

パルマハム協会が公表している「2007年パルマハム輸出実績」を参照すると、
2007年の輸出は対前年比+9.2%の約208.5万本(約12,980トン)で、
イタリア産熟成食肉製品(スペック、コッパ、クラテッロを含む)
総輸出額の約37%を占めたそうです。

パルマハムは、歴史のある生ハムです。

パルマハム協会の公式サイトを参照すると、
紀元前5世紀、エトルリア時代のポー川流域において、
イタリア各地やギリシャと、
塩漬けの豚モモ肉の交易が行われていたことが史実として残っているそうです。

パルマハムは、ドルチェと呼ばれることがあるそうです。

「イタリア 味の原点を求めて」(バートン・アンダーソン著、白水社)に
次の記載があります。

・・・引用・・・
 パルマ産プロシュットはドルチェ(甘口または柔らかいの意味)と呼ばれており、
 イタリアの他地域で生産される、
 塩味や風味の尖ったものや堅いハムと、区別される。
 
 この甘さは適度な塩加減のたまものだが、
 また、上手な管理のもとで狙いどおり酵母が活動し、
 タンパク質が変化した結果でもある。

 すなわち、熟成の最終段階でおこる発酵作用によって、
 風味がなごみ、食感が和らぐのである。

 塩そのものは保存料ではないが、
 純化を促す働きをし、有害な微生物が悪さをしないうちに、
 水分とともに肉から排出させる。

 最終熟成のプロセスで、肉が無類の風味とアロマと触感をおびれば、
 色調もまた、おぞましい灰色がかった茶色から、
 熟成した明るいバラ色へと変わってゆく。

 こういう生化学的な過程をきちんと踏むと、
 肉は浄化されて病菌をいっさい寄せつけない。
・・・引用終わり・・・

さて、パルマハムの製造販売においては近年、
商業主義の傾向が強くなり、
長い歴史に培われたパルマハムは今、
パルマハム職人による伝承の技から
機械化による大量生産へとシフトが進んでおり、
パルマハムがすべてドルチェという時代ではなくなったそうです。


イタリア 味の原点を求めて (至高の食材)

イタリア 味の原点を求めて (至高の食材)

  • 作者: バートン アンダーソン
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 1997/12
  • メディア: 単行本



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